[売上げアップの原理] 繁盛店になるための
店舗レイアウトの極意
アパレル・雑貨店・カフェ・居酒屋・美容院
店舗レイアウトの基本は動線計画
店舗レイアウトは大きく2つの視点から、そのあり方を考えなければなりません。一つはお客様動線と従業員スタッフ動線の採り方と、もう一つはショップイメージの見え方(店舗デザイン)の二つです。
お客様動線とスタッフ動線はなるべく交差しないように配置し、スタッフ動線はできるだけ短く計画し、無駄のない効率的で生産性の高いものでなくてはなりません。それとは反対にお客様動線はできるだけ長く計画する必要があります。
その理由は後記の記述で理解していただけるはずです。
そして、物販店で特にレジの位置が店舗レイアウトで重要な場所となってきます。レジの位置はお客様と従業員スタッフの接点であり、スタッフはレジの位置を基点に行動します。そして、お客様はいつもスタッフのいる位置とレジ位置が、お店に入って来たときから気になる場所だからです。
店舗レイアウトは、素人の方には少し理解し難いかもしれませんが、店舗デザインすなわち店舗全体から受けるイメージやムードづくりに大きく関係しており、デザインを決定する上で基本となるものです。店舗レイアウトには、お店の品揃えをプレゼンテーションして、お買い上げいただき、そしてより高い売り上げ高を上げていくのに、実は重要なポイントがあることをご存じでしょうか。それは次に説明する「売り上げアップの原理」です。
売上アップの原理とは?
何故、それほど店舗デザインにおいて、動線が重要なのでしょうか。
それは、店舗の売上高に大きく関係しているからです。下の数式をご覧ください。
売上高=客数×客単価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式A
売上高は、客数と客単価の積で表わすことができます。そこで売上高をアップさせるためにはどうしたらよいのでしょうか。それは数式の示すように、客数または客単価、またはその両方を増加させればよいのです。客数をアップさせる方法としては、店舗デザインにおけるショップコンセプトの明確化、店舗ファサードイメージの魅力度のアップ、サービス面の改善、販売促進が採用されます。そしてもう一方の客単価をアップさせる方法としては、お客様を店舗の隅々まで回遊してもらい、商品を見てもらい、触れてもらい、一つでも多くの商品をお買い上げいただけばよいのです。また買い上げ高は、次の式で表わせられます。
買上高=動線の長 × 立寄率 × 視認率 ×
買上率 × 買上個数 × 商品単価
・・・・・・・・・・・・・・・・・数式B
- 動線の長さ
- できるだけ店内を隅々まで回ってもらい客導線を長くする。
- 立寄率
- 店内をお客様が歩いていく過程で、より多くの売り場に立ち寄ってもらう。
- 視認率
- 立ち止まった売り場において、より多く見てもらう。
- 買上率
- 立ち止まり見てもらった商品を必ず買ってもらう。
- 買上個数
- 一つだけでなく、より多数の品物を買ってもらう。
- 商品単価
- 同じ買うなら、より商品単価の高い商品を買ってもらう
上の数式から、店舗レイアウトが売り上げアップするための最重要課題であることが判るでしょう。
ワンポイントアドバイス
- 店舗レイアウトでは、スタッフ動線は短く効率的に、客動線は長くなるような仕掛けをする。
- 売り上げアップのポイントは客動線をできるだけ長く、目を引くポイントを多くし、数多くの商品を買ってもらう工夫をすること。
- 店舗レイアウトでは、レジ位置を最初に決定。
店舗別設計
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ファッション店・物販店
物販店の店舗デザインでは、店頭にショーウインドを設けてシーズン商品や売りたい商品のVMDによるプレゼンテーションが重要です。そして入口近くには、顧客の立ち寄りやすい商品を陳列します。例えばファションブティックであれば、アクセサリー、ニット・カットソー等の単品商品をレイアウトします。そして、店奧にはスーツ・ワンピース等の重衣料をレイアウトし、お客様をスムーズにフィティングルームに誘引するのがポイントです。
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飲食店
飲食店の店舗デザインで、ファミリーレストランなどの大衆を顧客とする飲食店では、店頭にサンプルケースを設置してメニューを打ち出します。そして、次ぎに混雑時の待合いを用意して、客席のレイアウトはサービスがしやすいように、シンプルに計画します。高級料理店では、サンプルケースなどは設置せず、誰でも簡単に入ってこれないようにし、顧客の想像を掻き立てたり、席に着くまでの気分を盛り上げるための仕掛けを、考えます。
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百貨店・大型専門店
大型店の店舗デザインでは、店頭のショーウインドに直接商品を陳列するのではなくて、マーチャンダイジングにおけるストアイメージを訴求するVMDが多いようです。そして店内では、回遊性を重視してレイアウトし、通路の突き当たりのマグネットには、キャラクター性の強いインショップが配置されます。最近ではアメニティー性が重視され、吹き抜けのプラザなどが設置されることが多いようです。
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スーパーマーケット
スーパーマーケットの店舗デザインでは、商品を選びやすいように、ワンウェイコントロールされた導線計画が採用され、利便性を最優先しています。
入りやすい
店舗のレイアウトとは?
入りやすい店とはどのようなお店でしょうか。その店舗デザインにおけるポイントは①まず当然ですが入り口が広いこと、②そして近寄りやすいこと、ファサード分析でも説明しておりますが、中間領域<浅瀬効果>があり、入店するのに障害がないこと、③店員と目が合わない(入り口に向かって店員が立たないようにレジ位置などを検討してレイアウト)、④「この店に入っても何も買わずに簡単に出られる」と思わせること、すなわち<逃げ場>を造っておくこと、などです。
また反対に高級店で目的買い(ディスティネーション)の顧客のみを取り込み、ほかの客はシャットアウトするには、入り口にドアをつけ、中も見えないようにすれば完璧です。ニューヨークのブランドショップではガードマンが入り口に立っているのも珍しくありません。
業態別店舗レイアウト
アドバイス
中間領域を考えた商品レイアウト
人気店の大半は、店頭に「中間領域」というエリアがあります。
そこに立った人は、「店舗の雰囲気を感じることができ、なんだかワクワクしてくる」そんな場所です。
営利性はあまり打ち出さずプル型の誘導を狙うのがいいでしょう。
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カフェ
店頭にオープンカフェを設け、店内のムードを街路に演出する
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レストラン
今日の特別メニューを黒板に書いて店頭に設置する
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ファッション店
新作のファッションショーを店頭のモニターで流すなど
サイン・看板のデザインは
業種・業態をはっきりと表示する
視認性を高くし、どんな業態でどのようなサービスを提供しているかがわかるようにしましょう。
ただし、ここ数年は都市景観条例など役所のチェックが厳しくなっているので合法の範囲で設置してください。
法に触れたサインや看板は、撤去命令がくだることもあります。
コンセプトに合った
デザインかどうか
何を表現するかがいちばん問題です。オーナーの好き嫌いで決定するのはもってのほかで、お店のコンセプトに合っていてターゲットが好む表現ができているかが重要です。
うまく導線の確保、店舗デザインが行えないと感じられた際は、ご相談下さい。店舗のコンサルタントとして店舗の状態を診断させていただきます。詳しくは「店舗診断」をご覧ください。
店舗レイアウト・店舗陳列については
用語集やコラムもご覧ください。
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